◾️ MONIN CUP Asia-Pacific 2024(マレーシア)

2024/09/20 イベント

◾️ MONIN CUP Asia-Pacific 2024(マレーシア)
日時:2024年9月3日

報告者:埋橋響

今大会は、昨今の低アルコールトレンドを踏まえ、 『Low is More』をテーマに、低アルコールのオリジナルカクテルを創作する大会として開催されました。10カ国から選抜されたバーテンダーが1名ずつ参加し、その技を競い合いました。 まずセミファイナルで6名に絞り込まれ、その後行われたファイナルで上位3名が選出されました。この上位3名は、次回開催されるパリ大会への出場権を獲得することとなります。


セミファイナルは10分間のプレゼンテーション形式で実施されました。日本の大会との大きな違いは、インフュージョンした材料の使用が認められてたこと、そしてプレゼンテーションを英語で行う必要があったことです。

材料の制限がなかったこともあり、各国の選手は個性豊かな材料を用意していました。自国の伝統的な食材や、それを用いた革新的なインフュージョンなど、どれも興味深いレシピばかりでした。

得に印象的だったのは「うま味」を意識した選手が多かったところです。近年うま味の概念が世界的に広まりつつあるという話は耳にしていましたが、実際に外国の選手がうま味を軸にしたカクテルを創作する様子を見るのは日本人として感慨深いものがあります。

プレゼンテーションの内容も興味深いものばかりでした。日本の大会よりかなりフランクな雰囲気だったのですが、目の前の審査員の席まで行って演技したり、審査員を巻き込んで一緒に飲んだりと、周りを楽しませるようなプレゼンテーションが多かったです。
私は英語が得意ではないのでプレゼンの内容を暗記するだけで精一杯という感じだったのですが、フランクで和やかな雰囲気だったからこそ緊張も少なく演技できたと思いました。

幸運にもセミファイナルを通過し、ファイナルに進 出することができました。しかし、ファイナルはこ れまでとは全く異なる形式でした。
モナンシロップとアルコールは共通で使用可能でしたが、各選手に渡されるブラックボックスの中に含まれる材料のみでカクテルを創作しなければなりませんでした。
ブラックボックスの中には、醤油、ジンジャービア、 ケドンドンなど、普段使い慣れない食材が多く含ま れており、制限時間内にオリジナルカクテルを完成 させることは容易ではありませんでした。

この課題は、カクテルや食材に対する深い知識が試 されるものでした。上位に入賞された選手たちは、 限られた材料を巧みに組み合わせ、独創的なインフ ュージョンを施し、観客を盛り上げるようなプレゼ ンテーションを展開されていました。


結果として、私は6位という評価を得ました。

次のステップであるパリ大会も目指していましたので6位という結果に終わり残念に思う気持ちもありますが、他の方の演技をみてまだまだ力不足だと実感するばかりなので納得のいく順位です。

今回の大会を通じて、単なる結果以上に多くの貴重な経験を得ることができました。これまで海外のバーシーンに対する関心が薄かったのですが、今回の経験をきっかけに、その価値観が大きく変わりました。バーだけでなく、他の国の文化全般に興味を持つようになりました。
また、大会を通して日本人であることへの誇りも感じました。多くの海外の方から温かい歓迎を受け、日本の文化やエンターテイメントに対する関心の高さに驚かされました。私のことを日本の代表として見てくださっている方が多く、プレッシャーを感じる一方で、大きなやりがいを感じました。今回の経験は、日本にいるだけでは決して得られない、海外から見た日本の姿を教えてくれました。

「MONIN Cup Asia-Pacific 2024」という素晴らしい 機会を与えていただいたことに心から感謝いたしま す。今回の挑戦で得た経験と知識を胸に、より一層 精進し、バーテンダーとして成長を続けてまいりま す。

またこの度は、温かく応援してくださったお客様、多大なるご指導を賜りました諸先輩方、そして、多大なるご支援を賜りましたメーカーの方々に対し、心から厚く御礼申し上げます。

カクテルのプレゼンテーションの様子

カクテル【アフターグロウ】