伊勢屋酒造見学
2023/12/12 活動報告
【日時】
12月10日(日) 13:30〜
【会場】
伊勢屋酒造
神奈川県相模原市緑区小原681
【内容・レポート】
神奈川県相模原市緑区にある、伊勢屋酒造さんを見学させて頂きました。
最寄りの相模湖駅から歩いて20分。旧甲州街道の宿場町として栄えた小原に製造所はあります。
伊勢屋酒造代表である元永達也さんが、以前勤められていた渋谷にあるbar caolilaの小林さんに相談を持ちかけたことから、小林さんの祖父母の持ち物だった古民家を、ほぼ全て自分達の手でリノベーションをしたことで、現在の製作所は出来上がりました。
今回は「貯蔵庫」「畑」「製作所」の3箇所を見学させて頂きました。
まずはじめに製造所は
製造から瓶詰め設備、オフィスまでが12畳の建物に集約されたとても小規模な製造所です。
「最高の嗜好品を作りたい」という元永さんの思いから無数の実験を繰り返し、水は地元の水を使用し、ボタニカルは自家栽培ハーブの1番適した部分とアマーロのルーツを考え、あえて海外原料も併せて使われます。更に水蒸留で作るフローラルウォーターを用いることで、香料を一切使わない作り方に拘っていらっしゃいました。糖に関してはてんさい糖、黒糖、グラニュー糖などを作りたい味によって配合を変えています。そして原酒はアルコールの甘さを活かすため、中性スピリッツを使うのではなく、桜尾のウォッカ、越後酒造さんの原酒を使用されているそうです。ボタニカルを浸出させる際は、一般的な度数より低めで、時間をかけて抽出することにより、理想の味を実現されました。「他の業者のやり方が量産は出来るが、僕が目指している世界線はそこではない」と目標を貫くその一方で、「これから国産アマーロを作りたいと志す方々に、しっかりしたビジネスモデルとしての地盤と、道筋と、これから勝負できる余白を残しておきたい。だからこそ、そのために皆さんのお力でスカーレットを広めていただきたい」そう元永さんの思いと願いが強く伝わりました。
次に貯蔵庫は昔ながらの土嚢造りの蔵を再利用しており、かなり保温性に優れ、涼しく保たれています。2つある蔵のうち、地面のコンクリートの詰め方を変えることで、熟成に変化を持たせていると伺いました。両サイド二段に積まれた樽は、嘉之介、桜尾のピーティッド、黒木本店、三郎丸蒸留所、笹野川酒造、ベンチャーウィスキーなどから頂いたもので、今後はラフロイグの樽なども試験的に使用される予定です。ただ樽を買い付けるだけでなく、アマーロを寝かした樽を再度蒸留所さんにお返しすることで、アマーロカスクのウィスキーを作る試みをされるなど、様々な可能性を試されていました。
最後に畑を見学させていただきました。
「ハーブは、根本と先の方では味が全然違う、私達はその美味しい部分を使いたい」という思いから、元々荒れ地だった土地を一から開墾し作られたという畑には、ワイルドベルガモット、ニガヨモギ、ルバーブなどが植えてありました。
畑は数カ所に点在しており、元々小林さんのお祖父様の畑と、高齢化が進み耕せなくなった畑を他の農家さんから借りているとのこと。どの畑でハーブがよく育つのかを全て試し、今の栽培場所に決められたそうです。不要になったハーブは虫除けと肥料に、雑草対策のマルチングシートは生分解性のものに、環境への配慮も真面目に取り組んでいらっしゃいました。
市販のハーブでは実現し得ない味が自家栽培をする1番の理由だと仰っていました。
畑を始める際、元永さんは近隣の農家さんのお手伝いをし、信頼してもらったと言います。その結果、さらなる可能性に挑戦していける様になったと言います。今後は新しい試みとして、ベルモット造りで葡萄の栽培を考えているそうです。
元永さんは「バーテンダーさんが一杯のジントニックを美味しく作る。そのこだわりと、私の考えは近いところにあると思うんです。」という思い。自らが感銘を受けた昔ながらのアマーロにこだわりを持ち、常に新しいことに挑戦される造り手の熱い気持ちを今回支部会員は直接触れることができ、とても勉強になる見学となりました。
12月10日(日) 13:30〜
【会場】
伊勢屋酒造
神奈川県相模原市緑区小原681
【内容・レポート】
神奈川県相模原市緑区にある、伊勢屋酒造さんを見学させて頂きました。
最寄りの相模湖駅から歩いて20分。旧甲州街道の宿場町として栄えた小原に製造所はあります。
伊勢屋酒造代表である元永達也さんが、以前勤められていた渋谷にあるbar caolilaの小林さんに相談を持ちかけたことから、小林さんの祖父母の持ち物だった古民家を、ほぼ全て自分達の手でリノベーションをしたことで、現在の製作所は出来上がりました。
今回は「貯蔵庫」「畑」「製作所」の3箇所を見学させて頂きました。
まずはじめに製造所は
製造から瓶詰め設備、オフィスまでが12畳の建物に集約されたとても小規模な製造所です。
「最高の嗜好品を作りたい」という元永さんの思いから無数の実験を繰り返し、水は地元の水を使用し、ボタニカルは自家栽培ハーブの1番適した部分とアマーロのルーツを考え、あえて海外原料も併せて使われます。更に水蒸留で作るフローラルウォーターを用いることで、香料を一切使わない作り方に拘っていらっしゃいました。糖に関してはてんさい糖、黒糖、グラニュー糖などを作りたい味によって配合を変えています。そして原酒はアルコールの甘さを活かすため、中性スピリッツを使うのではなく、桜尾のウォッカ、越後酒造さんの原酒を使用されているそうです。ボタニカルを浸出させる際は、一般的な度数より低めで、時間をかけて抽出することにより、理想の味を実現されました。「他の業者のやり方が量産は出来るが、僕が目指している世界線はそこではない」と目標を貫くその一方で、「これから国産アマーロを作りたいと志す方々に、しっかりしたビジネスモデルとしての地盤と、道筋と、これから勝負できる余白を残しておきたい。だからこそ、そのために皆さんのお力でスカーレットを広めていただきたい」そう元永さんの思いと願いが強く伝わりました。
次に貯蔵庫は昔ながらの土嚢造りの蔵を再利用しており、かなり保温性に優れ、涼しく保たれています。2つある蔵のうち、地面のコンクリートの詰め方を変えることで、熟成に変化を持たせていると伺いました。両サイド二段に積まれた樽は、嘉之介、桜尾のピーティッド、黒木本店、三郎丸蒸留所、笹野川酒造、ベンチャーウィスキーなどから頂いたもので、今後はラフロイグの樽なども試験的に使用される予定です。ただ樽を買い付けるだけでなく、アマーロを寝かした樽を再度蒸留所さんにお返しすることで、アマーロカスクのウィスキーを作る試みをされるなど、様々な可能性を試されていました。
最後に畑を見学させていただきました。
「ハーブは、根本と先の方では味が全然違う、私達はその美味しい部分を使いたい」という思いから、元々荒れ地だった土地を一から開墾し作られたという畑には、ワイルドベルガモット、ニガヨモギ、ルバーブなどが植えてありました。
畑は数カ所に点在しており、元々小林さんのお祖父様の畑と、高齢化が進み耕せなくなった畑を他の農家さんから借りているとのこと。どの畑でハーブがよく育つのかを全て試し、今の栽培場所に決められたそうです。不要になったハーブは虫除けと肥料に、雑草対策のマルチングシートは生分解性のものに、環境への配慮も真面目に取り組んでいらっしゃいました。
市販のハーブでは実現し得ない味が自家栽培をする1番の理由だと仰っていました。
畑を始める際、元永さんは近隣の農家さんのお手伝いをし、信頼してもらったと言います。その結果、さらなる可能性に挑戦していける様になったと言います。今後は新しい試みとして、ベルモット造りで葡萄の栽培を考えているそうです。
元永さんは「バーテンダーさんが一杯のジントニックを美味しく作る。そのこだわりと、私の考えは近いところにあると思うんです。」という思い。自らが感銘を受けた昔ながらのアマーロにこだわりを持ち、常に新しいことに挑戦される造り手の熱い気持ちを今回支部会員は直接触れることができ、とても勉強になる見学となりました。